「禍(わざわい)を転じて、福となす」は、状況が悪化し、局面の打開をはかる時などに、昔から中国でも日本でもよく使われるポピュラーな言葉です。

 

この言葉は、中国の春秋時代の後の戦国時代に記された「戦国策」を原典としています。この本によれば、「智者の事を挙ぐる(あぐる)や、禍を転じて福となし、敗に因りて(よりて)功をなす」とあります。つまり、知者というものは仕事をするにあたって、禍を転じて福とし、失敗を成功の母とするという意味です。

 

人間は完全なものではないので、人生には不幸(禍)や失敗は、つきものです。どんなに用心したところで、一度や二度、不幸や失敗に見舞われない人生などありえないと言います。問題はそれに対して、どのように対処するかです。

 

『戦国策』によれば、一度や二度の失敗でへこたれてしまうのは、どうやら愚者(ぐしゃ、愚か者)の部類に入れられてしまうようです。

 

失敗を恐れず、失敗をバネにし、そこから人生の新しい展望を開いていくような、そういうたくましい生き方が求められています。

 

よく使われる慣用句やことわざに今一度、耳を傾け、強くたくましいサレジアンを目指して、自分の糧としてください。