交通の要衝には、様々な国の人々が集まりはります。多彩な文化や言語を目の当たりにした古代人は、「なんで、これほど多くの言葉が存在するんやろか」という疑問を持ちはりました。たまたま、その町の郊外に朽ち果てた巨大建築物が幾つかあったんで、これをもとに物語を作らはりました。それが『バベルの塔の物語』だす。それはこんな話だす。「昔、昔、その昔の話。世界中は同じ言葉を使ってはって、同じようにしゃべってはりました。彼らはある時、町を有名にしたいと思い、みんなで考えはったんだす。そして「天まで届く塔のある町を建て、有名になれへんか。そして世界に散らされんようにしようやないか」を合言葉に高い塔を作りはったんだす。塔は雲を突き抜け、周囲の町や国から見えるようになりはりました。ほやけど、人々は満足せんと、神さんのところまで建てへんかと考えはりました。地上がやけに騒がしいので、神さんは天から下って来て、人の子らが建てた、塔のあるこの町を見て、驚いて叫びはった。

「自分らは一つの民で、みんな一つの言葉をしゃべるから、こんなことをしたんやな。これでは、自分らが何を企てても、妨げることがでけへんがな。見てみ。自分らの心の内を。神さんのようになりたいという高慢な心が芽生え始めてるで。すぐに彼らの言葉を混乱させやなあかんな、互いの言葉が分からんようにしたろか。」神さんは、彼らをそのようにしはったので、言葉が多種多様になって現場は混乱を起こし、高い塔の建築は途中で放棄され、人々は世界中に散っていきはりました。こういうわけで、私らの言語は多種多様になったのです。

古代人の知恵は科学的ではありまへん。ほやけど、当時の文化レベルから考えたら、ようこんな話を作りはったもんやと思います。さて、科学が発達した現代にいる皆さんは、どんな話を作りはりますか。