『クリスマスツリーになぜ靴下?』
今日12月8日は教会の暦では「無原罪の聖母」というお祝い日です。マリア様が人類の救い主であるイエス様を宿した「神殿」として前もって恵に満たされた方として生涯を過ごされたことを思い起こす日です。
また、この日は多くのサレジオの学校で創立記念日を祝います。その理由はドンボスコがオラトリオを開くきっかけとなったバルトロメオ・がレッリ少年と出会った日が12月8日だったということに因んでいるからです。
さて受付の前にはサレジオ恒例のクリスマスの馬小屋が設置されましたが、そこにはどんな人物、どんな動物がいるか思い出せますか?イエス様、マリア様、ヨセフ様、羊飼、博士、牛、ロバ、羊などがいますね。この馬小屋の演出をイタリア語ではプレゼピオといいます。このプレゼピオを初めて提案したのはアッシジの聖フランシスコです。
今「馬小屋」と言いましたが、実は聖書にはイエス様が馬小屋で生まれたとは書いてありません。ではどうして「馬小屋」ということになっているのでしょうか?それはイエス様が「飼い葉桶」つまり動物の餌を入れた箱に乗せられとあるからです。家畜が近くにいる環境で生まれたのでしょう。今考えるとそこは衛生面でも新生児に適した環境ではありませんね。イエス様はそのような貧しい環境で生まれたことには神様の何らかの意思があるのでしょう。
1400年ごろに書かれた1枚のクリスマスの絵には、ヨセフ様が自分の靴下を細く切って幼子のために服を作っている姿が描かれています。マリア様は寒さで震えながら幼子を心配していますし、ヨセフ様の裸足の足は痛々しく描かれています。
この絵は最初のクリスマスを忠実に描いているように感じます。赤ん坊のために自分の痛みをこらえて服を縫うヨセフ様の姿が印象的ですし、このヨセフ様から私たちは時として自分の不都合を乗り越えて他者のニーズに応えることの大切さを学ぶことができるでしょう。
コロナの中どうしても他者との関係を閉ざしてしまいがちな風潮があります。他者に対して厳しく裁いてしまう風潮があります。そんなときヨセフ様のように他者に開かれた心、自分のことを差し置いて他者の必要に目を向ける眼差しを大切にし、周りの人を思いやるようにしましょう。
今度クリスマスツリーに靴下が飾られているのを見た時になけなしの靴下で幼子のために服を作ったヨセフ様を思い出してください。