オペラ『ラボエーム』はいかがだったでしょうか?

 

司会の朝岡さんの軽妙な解説で『ラボエーム』の鑑賞どころが分かり、より深く味わえました。

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エンディングはお決まりのお涙頂戴でしたが、

そうだとわかっていても、うるっときてしまったのではないですか?
『ラボエーム』は明日を夢見る若く貧しい芸術家の悲しい物語でしたが、

プッチーニ自身若くして父親を失い、貧しさの中苦労を重ねて音楽を学んだ経験があったので、

余計貧しい芸術家に自分に重ね合わせ身近に感じたかもしれませんね。
解説にもありましたが、

第3幕のロドルフォとミミ、マルチェッロとムゼッタのふた組のカップルが歌う四重奏は圧巻でしたね。

片やロドルフォとミミがいたわりつつ別れ、片やマルチェッロとムゼッタが喧嘩をしながら別れていく

そのコントラストが一つのメロディー中で見事に表現されていましたね。

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実は一つのメロディーを奏でながら相反する気持ちを歌詞に歌い込むのは

オペラやミュージカルでよくある手法です。

少し前にミュージカル仕立ての映画『レミゼラブル』が上映されていましたが、

その中でもやはりこの手法が用いられ物語を劇的に盛り上げていました。

仇同士のジャンバルとジャベール警部、

マリウスとの恋が叶ったコゼットと叶わなかったエポニーヌの掛け合う歌では、

同じメロディーを奏でているからこそ、二人の置かれた立場、

二人の気持ちのコントラストがよりドラマチックに演出され感動を引き起こすんんだなぁと感じました。

純粋にストーリーに感動するか、あるいは音楽のテクニックを分析するか、

はたまた舞台演出の工夫を堪能するか、オペラを楽しむ切り口は様々ですが、

ヨーロッパの文化、あるいはそれを支えるキリスト教文化を知るということは

将来色々な国の人とコミュニケーションを取る上で話題のきっかけを発見するために

役に立つのではないでしょうか。

 

皆さんもこれをきっかけに普段接してこなかったクラッシックにも

少し興味を持ってみてはいかがでしょうか。