「泥かぶら」
ある村に、一人の醜い顔の少女がいました。少女には両親がいませんでした。村の子供や大人たちは、その子を「泥かぶら」と言って、いじめていました。今日もいじめられているところに、一人の旅の老人が通りかかり、美しい人になりたいなら、次の3つの事を守って実行しなさいと諭しました。
1)顔を恥じないこと。
2)どんな時にもにっこり笑うこと。
3)人の為になって思う事。
泥かぶらは実行します。しかし依然としていじめは続き、水に映る顔は醜いままでした。何度か決心したことをやめようとしますが、そのたびに思い直して実行するのでした。ある日の事、ちょっとした親切で村人が喜んでくれたことを知り、生きがいを感じました。それからというもの、子守やお使いなどあらゆることで村人に尽くすようになりました。いつしか村人も「泥かぶら」を村の宝のように大切にするようになったのです。
そんなある日、借金のかたに売られる娘の代わりに、泥かぶらが人買いと一緒に旅に出ることになりました。旅の道中で、泥かぶらは村の生活がいかに楽しかったことかなどを話し、おじさんと一緒に旅ができて幸せであることを話しました。この無邪気な娘の話を聞き続けた人買いは、心を打たれ、人間にとって本当に尊いもの、良いものとは何かに気づかされ、真面目に働くことを誓い、この娘が「美しい人だ」という書置きと二両の大金を置いて、姿を消してしまいました。
これが「泥かぶら」の話です。この話から次の4つの事に注目したいと思います。
1)人から教えられることの大切さ:彼女は心がすさんでいた時に、大切なこ
とを学びます。
2)忍耐して成し遂げること:立てた決心を続けた結果、喜びと価値に出会い
ました。
3)人の美しさは内面からくること:心を打つのは本当の美しさは内面から来
ます。
4)本物に触れた時、人は変わります。:本物に出会った人買いは、その人生
を変えました。
これから、様々な素晴らしい人と出会う可能性があります。私たちは出会う人に教えられ、自分の人生を深めていくことでしょう。そのような貴重な人と巡り合うことができますように。祈っています。