2020年12月24日
学校長のおはなし＠２学期終業式（放送）
〜主の祈り〜
２学期ご苦労様でした。長い長い２学期でしたね。おまけに当たり前にできたことができないストレスとの戦いの中、皆さん一生懸命自分の務めに真摯に向き合ってくれたと思います。まずは皆さんにお疲れ様、そしてありがとうと言います。
消毒、検温などこれまでにない手続きに従ってくれてありがとう。
お互いの、そして家族の健康を守ってくれてありがとう。
また土曜日は８０名のもの諸君が募金のために街頭に立ってくれました。感謝です。今年は時間も場所も縮小しての活動でしたが、南スーダンのサレジオの学校には今年もお金を送ることができます。ありがとう。
さて、皆さんの手元にはサレジオ修道会からのプレゼントとしてエコバックがあると思います。買い物をするときにはぜひこのエコバックを使ってください。なぜ今？と思うかもしれません。エコバックというくらいですから、要はエコ、つまり環境に配慮しましょう、ということです。
でも、「エコバックを使うとなぜエコなの？」って思いません？「いやいやレジ袋使わないためでしょ？」大体の人はそう答えるでしょう。確かにレジ袋は環境に負荷をかけていると言われていますね。でも、どうレジ袋は環境に負荷をかけているのでしょうか？レジ袋と二酸化炭素排出量にはどのような関係があるのでしょうか？
エコバックを利用するのは意味がないと言っているのではありません。レジ袋に限らず環境問題について私たちは何となく知っています。でも「そのように言われているからそうなんだろうなぁ」ぐらいの知識ではないでしょうか。せっかくですからもう一歩進んで、その背景にあるメカニズムを自分なりに調べてみてはいかがでしょうか。つまりポジティブな批判精神を持つということです。総合探究の論文のテーマ決まっていない人、どうですか？これテーマにできません？
レジ袋に限らず環境問題は調べて自分なりの答えを出すことが必要です。二酸化炭素と言えば電気自動車。東京都では２０３０年までにすべての新車を電気自動車にすることを目指すという発表がありました。確かに電気自動車は温室効果ガスを出しません。
でも、電気自動車が走るのに必要な電力を作る火力発電所がそのためにさらに二酸化炭素を排出するのならどうでしょうか。果たしてどちらのほうが環境を守ることになるのか？あるいはハイブリッドを極めるという手もあるかもしれません。納得するために自分なりに調べてみる価値がありそうですね。
先日の朝の話でエシカルという単語の話をしました。環境問題はエシカル、つまり倫理的、自分なりに考え答えを出す課題です。どうすべきか自分で考え、結論を出すことが倫理です。エコバックが皆さんの生活様式を批判精神を持って確立していくきっかけとなってくれればと思います。
さてエコバックをよく見ると、「ドンボスコ グリーンアライアンス」と書かれています。次にドンボスコグリーンアライアンスについて少しお話ししましょう。
ドンボスコ グリーンアライアンスとは世界中のサレジオの学校に通う生徒たちの国際的な団体です。グローバルレベルで環境問題について考え、この地上のすべての命を守り育てていくためのアクションを起こすことを目的としています。詳しくはドンボスコ グリーンアライアンスのホームページを見てください。
皆さんはドンボスコ グリーンアライアンスという言葉を今日初めて耳にするかもしれません。でも皆さんはサレジオ生として既にその精神に賛同し、しかも実際アクションを起こしているんですよ。
先日フェアトレードコーヒー販売を企画してくれたカト研の仲間、そのコーヒーを買ってくれた仲間はみんな環境問題、持続可能な社会づくりに具体的に貢献してくれています。フェアートレードとは、貿易のしくみをより公平・公正にすることにより、特に開発途上国の小規模生産者や労働者が、自らの力で貧困から脱却し、地域社会や環境を守りながら、サステナブルな世界の実現を目指す取組みです。
また、南スーダンの貧しい若者のための学費援助のための街頭募金もドンボスコ グリーンアライアンスに貢献していると考えてもいいでしょう。どうですか？ドンボスコ グリーンアライアンス初めて聞いたかもしれませんが、既に皆さんの心は世界のサレジオ会の学校の生徒の心がつながり、ムーブメントを皆さんは既に起こしているんですよ。凄くないですか？そしてそれがクリスマスを祝う精神でもあるわけです。
エコバックを見るとき、そこに環境問題に取り組もうとする世界中のサレジオの仲間の存在が見えてくるわけです。
以上で終業式のお話を終わります。主のご降誕、クリスマスおめでとうございます。主イエス様が私たち一人一人をお導きくださいますようにお祈りいたします。
