「知識と経験again」
半径2メートルの立入禁止ゾーンの真ん中、とても手も届かないところにバケツが置いてあります。皆で協力して2本の長いロープだけを使ってバケツをひっくり返してください。持ち上げてください。できれば把手にロープを通してください。こんな問題を出されたら、何とかして正解を見つけ出したくなりませんか?裡に秘めた問題解決能力がウズウズして。
これ、昨日カトリック研究会で行ったワークショップです。前半は思考力で勝負。徹底的に考える。後半は実践力で勝負です。ところが実際に挑戦してみると、これが中々うまく行かない。計算していなかった事柄。バケツの中身・ロープの軽さ・把手の不安定さ・制限時間など、想定外のことに次から次へと軌道修正を余儀なくされます。試行錯誤の末、なんとか正解に辿り着いたとしても、「考えていたのとは違う」というのが共通した感想でした。
そう、頭で考えるのと実行するのは違う。先週に引き続き「知識と体験」がテーマです。サレジオの先生方が、なるべく多くの生徒にボランティアを体験してほしいと考える理由もこれ。たとえどれほど多くの経験者からボランティアの体験談を聞いたとしても、それがあなた自身の経験に変わることは絶対に無い。経験を通してしか知り得ない「真の知識」を、有り合わせの伝聞に置き換えてはいけません。自分の世界観は、自分自身で築き上げる。
はじめは「言われたからやる」で充分。一度体験してしまえば、それは間違いなく「あなたの経験」なんだから自信を持って良い。自信を持てるようになります。