アメリカン・ジョークから始めましょう。

あるとき、小さな子供が母親を見上げてこう言いました。
「お母さん。ボク、大人になったらロック・ミュージシャンになりたい…」
すると母親は我が子を見つめて、たしなめるように言いました。
「ぼうや、よく聞きなさい。両方一遍には無理なのよ。」

ロック・ミュージシャンであることと

大人であることが両立するかしないかは議論のあるところでしょうが、

世の中には、一見相反するように見えて、

その実しっかりと両立できる事柄がたくさんあります。

例えば、優しくあることと強くあること。

競い合うことと手を取り合うこと。与えることと豊かになること…。

ところが、両者のイメージが対極にあるために、

いつの間にか「どちらか一方を犠牲にしなければ、もう一方を貫けない」と

思い込んでしまっているケースが間々あるようです。

しかし、それは間違っています。
両方大切な事柄であれば、両方ともつかみ取るべきではないでしょうか。

「優先順位を考えて何かを犠牲にして行かなければ、

大きなことを成し遂げることは出来ない」という言葉に惑わされてはいけません。

もちろん、そのようなケースもたくさんあるでしょう。

しかし、本当に大切なものまでも捨ててしまえば、

「一体何のために生きているのか」を見失うことになります。
そんなことにならないように、自分にとって何が大切か…、

真に価値のあるものとは何か…

といったことを今日も明日も、しっかりと考えて行って下さい。