蒔かれた種の話には、いくつかあります。皆さんが知っている話は、種を受け止めた土の話です。蒔かれた種は、その土地の状態によって育ち方が違うことを示し、良い土地になることを勧めているのがキリスト教です。それが幸福への道であり、幸福な人間の在り方です。
 

仏教では「蒔いた種は必ず生える」と言う話になります。視点を土地ではなく種に当てています。どんな意味があるのかと言うと、「結果には必ず原因がある」という仏教独特の考え方である『因果の法則』を説いています。
 

私たちの心や行動や生き方に、何かが生えてきたとしたら、例えば愛情、友情、感謝、憎しみ、悲しみ、嫌悪感、或いは失敗、成功などが生まれたとしたら、そこには必ず原因となる種があったということです。
 

このことは時代や場所とは関係ありません。いつの時代、どんな場所でも種の無い所には芽が出てきません。何かが生えてきたとしたら、そこに種があったということです。同じく原因があって結果を生じたのであり、結果が生じたということは、それを生み出した原因があっての事なのです。
 

特に仏教は、人生の幸福や不幸は何によって決まるのかを明らかにして、どうしたら苦しみを解決して、幸せになれるのかを明らかにしています。
 

 

視点を変えると、考え方が変わりますが、幸福になるための「人間の在り方」を説いている点は共通しています。