『聖母マリア』
5月は教会では「聖母月」と呼ばれ、特に聖母マリアへの取次ぎを願う月となっています。5月13日はポルトガルのファティマに出現した聖母を祝い、5月24日はサレジオ会の第1の保護者であり、全世界の人々を助ける「扶助者聖母マリア」を祝います。今日はこの「扶助者聖マリア」についてお話ししましょう。
人間的な出来事の浮き沈みが交差する歴史の中で、キリストの民は聖マリアの実際的な助けを幾度となく体験してきました。人々が困難な状態から解放されるように神に救いを願った時、乙女マリアは自分の人生を神に差し出し、キリストがこの世に来ました。キリストがこの世を去った後に、おびえる弟子たちの集団である最初の教会を励まし続けたのは、母マリアでした。そのため、マリアがこの世を去った後、人々は聖母マリアに取次ぎを求めて祈る習慣が次第に広がっていきました。
特に教会や世界の存続の危機にあった時には、あの最初の教会を励まし続けたマリアを思い起こし、マリアへ祈ることが多かったようです。時を経て、聖母マリアは様々な呼び名が付けられ、親しみのある存在となっていきました。
1814年、教皇ピオ7世はナポレオンと激しく対立して幽閉されてしまいます。教会存続の危難と考え、多くの人がマリアに祈ったそうです。その結果、5月24日に、幽閉先から解放されてローマに戻ることが出来ました。この出来事がヨーロッパ諸国に大きな影響を与えることになります。そこで、教会は5月24日を「扶助者聖母マリア」の祝日に制定しました。
この「扶助者聖母マリア」へ祈る習慣をドン・ボスコは母から教えられ、終生続けていき、その習慣は後継者たちに引き継がれていきました。9歳の時の夢に出て来たマリアは、このマリアでした。また子供の世話をしていた母マルゲリータが世を去った後、子供の安全と健康を委ねたのも「扶助者聖母マリア」です。そのため「扶助者聖母マリア」は、サレジアンファミリーの第1の保護者となっています。
来週から中間テストが始まりますが、「扶助者聖母マリア」の助けにより、皆さんが日頃から積み上げてきた成果をいかんなく発揮できますように。祈っています。頑張って下さい。