オリンピック招致運動で話題になった「おもてなし」は、私たちのもとを訪れる(国内、国外の)旅人を滞在中、安心して過ごすことが出来るように配慮することです。基本はお客様となる方を自分のように大切にすることですが、様々な文化や風習を持つ方々がおられることを知ることでもあります。
先日、ニュージーランドから来られたお客様が温泉を断られたというニュースが入ってきました。日本の温泉場には「入れ墨をした方はお断り」とあり、その規約に従って断ったそうです。しかし、ニュージーランドの方は、古い家柄と格式を持った方で、入れ墨の場所は口の下に描かれており、それは一族の家紋だったのです。日本の常識では計れない風俗や文化が存在していることを知らされました。
また空港やホテルでは近年、イスラム教の方々が宗教的な不便を感じないように礼拝所を設置し、それに伴う付属の施設を造っています。さらに宗教的に処理してある料理を提供できるようになりました。
国内の観光地では、昔からクオリティーの高いサービスを行っている所があります。それはお客様からのクレームに一つ一つ対応し、昨日よりも今日、今日よりも明日へと各部署の担当者が仕事をこなしながら、その専門性をさらに高めようと努力した結果です。
私たちは働く場所や身分は違いますが、同じ時間を共有する中で、相手を思いやる心を養うことや、普段の会話の中で相手を知ること、そして世界の文化や風習を知ることは、もしかしたら将来出会う方々を「おもてなし」する準備になるかもしれません。