少しでも起きる確率のある事象は必ず起きる
マーフィーの法則
みなさんは、日常の生活のなかで、次のような法則を感じたことはないでしょうか?たとえば「自分が並んでいる列よりも、他の列のほうが早く進む」「別の列に移動すると、もといた列の方が早く動きだす」「機械は、動かないことを誰かに見せようとすると動く」「宿題は、やってないと指される」「やってあると前の人で終わる」「途中までやってあると、やってあるその次の問題で指される」 いくつか納得できたものもあったのではないでしょうか。
これらの法則はマーフィーの法則と言われるものの一部です。日常生活の中のありがちな出来事を大げさな法則にして楽しもうという精神でたくさんの法則がつくられています。
しかし、少し考えてみると分かることですが、統計的にはマーフィーの法則は必ずしも正しくはありません。宿題にしても、きちんとやっていて指されることの方が多いでしょうし、並んでいる列もほかと同じように流れるのが普通なのです。しかし、統計的には正しくないにしても、これらの法則に妙に納得してしまったり、楽しめたりするのは、そのような悔しい思いをした体験の方が私たちの心に強い印象として残るからです。
さて、私たちも日常の中で、これと同じような判断の間違いをおかすことがあります。1つのことで失敗すると、もう自分はダメだと感じてしまったり、人生おしまいだと感じてしまったり、自分自身の小さな欠点のために自分のすべてに腹が立ったり……。気分が落ち込んでいるときにはこういうことがしばしば起こりがちです。これはまさしくマーフィーの法則と同じ間違いをおかしているのですが、自分のことになるとなかなか客観的にそれに気づくことはできません。ですから、気分が落ち込んでいるとき、自分に自信が持てないときには、自分を落ち込ませている原因が本当に正しいのかをもう一度じっくり考えてみたり、人に話を聞いてもらって別の視点から自分を眺めてみることがとても大切なのです。