ある大富豪の父親は、豊かであることが当たり前だと思っている息子に、貧しさを体験させて、自分たちの生活がどれだけ幸せなものかを知ってもらおうと思い、田舎のたいへん貧しい大家族の家に息子を送りました。
しばらくたって、息子が帰って来て「お父さん、とても貴重な体験をさせてくれてありがとう」と父親に感謝の言葉を送りました。この言葉を聞いた父親は息子も「お金を持っていることが、どれほど幸福か」ということに気づいてくれたんだと思って喜びました。
そこで父親は、向こうの生活の違いを尋ねました。すると、息子は
「お父さん、うちの家には犬が一匹しかいないけど、向こうは四匹も犬を飼っているんだ。」
「うちの家は庭にプールがあって浄水された綺麗な水がはってあるけど、向こうの家は大きな池があって、透き通るほど綺麗な水が池を満たしていて新鮮なんだよ、その上魚もいるんだ。」
「うちの家は夜になると庭を照らしてくれる照明があるけど、向こうはお月様とお星さまが庭をとてもきれいに照らしてくれるんだ。」
「うちの家は壁に囲まれているけど、向こうは囲いが無く、地平線のかなたまで庭が続いているように見えるんだ」
「うちの家はいつもCDを聞いているけど、向こうの家では鳥のさえずりや自然の音を聞いて楽しんでいるんだ」
「うちには安全の為に壁があるよね。でも向こうは友人たちをいつでも迎えられるように、ドアさえ鍵をかけていないんだ」
「うちでは携帯やパソコンで人と繋がっているけど、向こうでは家族や自然が皆を繋げているんだ」
この言葉を聞いて、父親は驚きました。更に子供は、
「お父さん、僕たちが本当はどれだけ貧しいのかを教えてくれて、ありがとう」

多くの人は「お金さえあれば幸福だ」と考えがちですが、この子供はもっと価値あるものを持っている方が幸福であると考えたようです。
さて、みなさんは、この話を聞いて、どう考えますか。