ハチドリの一滴

 『ハチドリのひとしずく』というお話を聞いたことがありますか?
 アンデス地方に伝わる古い物語です。それはこんな短いお話です。

森が燃えていました。
 森の生きものたちはわれ先にと、逃げていきました。でもクリキンディという名のハチドリだけは行ったり来たり口ばしで水のしずくを一滴ずつ運んでは、火の上に落としていきます。
 動物たちがそれを見て「そんなことをして、いったい何になるんだ」と言って笑います。クリキンディはこう答えました。
 「私は、私に出来ることをしているだけ」

 世界のために、人類のために、平和のために・・・そういった大きな目標に向かってわたしたちにできることと言えば、ハチドリの運ぶ一滴のように本当に小さなことしかありません。しかし、たとえ小さなことであっても、着実に一歩前進することができるのだという希望をもって、自分にできることを続けて行きたいと思います。

 マザーテレサもこんな言葉を残しています。

 わたしたちの仕事はすべて大海の中の一滴にしか過ぎないものです。でも、この一滴を注がなくては、海の水は、一滴分減るのです。あなた自身にも同じことが言えます。さあ、始めましょう・・・・ひとつずつ、ひとつずつ。