国際協力
今日は、ソマリア沖の海賊を一掃させた男の話をしましょう。
キハダマグロの漁場がソマリア沖にあります。
昔はその漁場でマグロを獲り、日本に卸していました。
近年、その漁場付近に海賊が出没して、誰もそこで漁をしなくなりました。
日本のある鮨屋の社長は、どうしてもマグロが欲しい。
その漁場で漁をしてくれる漁師を探していました。
危険な水域に誰も行きません。
仕方なく、出没する危険な海賊と交渉することにしました。
伝手を頼んで海賊との話し合いの場が設けられました。
話し合ってみると、好きで海賊をしているわけではなく、
貧しいから最終手段として海賊をしていることが分かりました。
そこで、その社長は、海賊に新しいビジネスを提案しました。
それがマグロ漁です。
しかし問題がありました。
漁の仕方が分からない。
獲ったマグロをどのようにさばけばよいのかもわかりません。
そういう事情を聴いた社長は、日本から漁船を調達し、マグロ漁の技術を教え、
鮮度を落とさないように貯蔵する冷凍倉庫を造り、
獲ったマグロを流通させる販路を教え、漁師として独立させました。
そのおかげで、ソマリア沖には海賊がいなくなり、
海賊による被害もなくなりました。
商売の一環として行った行為でしたが、
彼の行動によって、貧困で苦しんでいた人々に安心できる生活を保障し、
国際問題を解決してしまったということです。