継続は力なり

身体の大小や寿命の長短はどうすることもできませんが、心の成長は、勉強によっていくらでも伸ばすことができます。
勉強は、何よりも持続させることが肝要です。成果を急いではいけません。時間をかけ、絶えず努力を重ねていくうちに、成果は出てくるものです。
ある人がミケランジェロに、絵を描いてくれるよう頼みました。その絵は10日で出来上がりました。値段を聞き「10日の仕事にしては値段が高いじやないか」と言うと、ミケランジェロは「この絵は10日で描いたが、30年間勉強して初めて措けるものだ」と答えたそうです。この言葉の中に、ミケランジェロの長年の努力に対する自負をうかがうことができます。
勉強は一生続けるべきものです。終点はありません。「学校を卒業したら、仕事や生活に追われて勉強する暇なんてないよ」という人がいるかも知れません。しかし、忙しいときにこそ、わずかな時間を見つけて勉強したことは身につくものなのです。
オランダの哲学者スピノザは貧しい草野の中、ガラス磨きの件業をしている間に哲学についての考えを練ったと言われています。彼のように、かえって何かをしているときに良い考えがまとまったり、発見したりするものです。
まとまった時間が取れないときは、電車に乗っている時間や休憩時間など、小さな断片的な時間を無駄にせず、勉強に利用していくことです。
聖書の中の「タラントンのたとえ話」のように、もらったタラントン(財産)を有効に使いましょう。愚かな僕(しもべ)のように、何も使わなかったら、持っているものまで失ってしまうでしょう。

 

谷 聡史