25歳の男づくり
「25歳の男づくり」。これはサレジオ学院の校訓です。この校訓は、この学校の校長、理事長を歴任した河合恒夫神父が提唱しました。この言葉の意味は、彼の著書「男の子が前向きになる子育て」に掲載されています。
ドン・ボスコが青少年を育てた経緯を踏まえて、自分の体験から男の子の教育には十分な時間をかけて育てなければならないと考えました。
多くの場合、高校卒業が一つの節目と考えることが多いのですが、河合神父は『社会に出て独立し始めた25歳を一つの節目とみなし、そこを目指して成長をしよう』という考え方です。それは会社に入って3年位して25歳で、ようやく自分の考えや将来像がしっかりしてくると考えられるからです。著書の中に、卒業生との対話が入っています。
皆さんの先輩の一人は「25歳まで学校や会社などの社会生活の中で、自分の可能性を見据えながら、様々な材料を集めてきました。この年になるまで色々と心配をかけてしまいましたが、これからは安心して見て欲しい。」と述べています。
河合神父は続けて言います。男の子の教育には、結果を早く求めて、成長を急がせてはいけないと忠告しています。男の子の教育には「ロング・ワイド・パーソナル」な視点が必要だと言います。
「ロング」:長い目で見て、その子の成長を待ってやること、目の前の結果に一喜一憂しないことが大切。
「ワイド」:幅広く、その子を捉えること。いい点も悪い点も両方とも認める
こと。
「パーソナル」:「この子はこの子なんだ」「何か良い所がある」という視点を
持つこと。
何よりも25歳の時に、どんな大人になっていたいかを問いかける教育をしていくことが大切だと説いています。この育て方は、学校だけでは足りません。学校と家庭の両輪が同じ考えで男の子を育てていくことが大切です。
このような環境の中で育つ皆さんは、25歳を一つの節目と考えて、様々な体験を積み重ねながら、人生の材料を集めてください。
今日も良い一日でありますように。