今日の人生へのヒントは、マタイ福音書7章13節~14節です。

「狭い門から入りなさい。滅びに通じる門は広く、その道も広々として、そこから入る者が多い。しかし、命に通じる門は何と狭く、その道も細い事か。それを見出す者は少ない。」

 

当時のユダヤ都市は城壁に囲まれ、都市に入る一般の門は市民生活の中心としての役割を担い、共同体の権威の象徴でもありました。これが語り手の言う「広い門」です。大手を振ってここを出入りするようなら、社会的に認められた人達と言えます。

 

城壁の脇の部分には、目立たない小さな通用門が設けられていました。普段、ここを利用するのは社会から見向きもされない見捨てられた人達でした。見捨てられた人達だったので、人目を避けてそこから出入りしていました。これが「狭い門」です。語り手は、あえて「狭い門から入れ」と言います。

 

その心は、弱気立場の人に目を向けて共に歩んでいくイエスのように生きることこそ、永遠の命へ至る門だと伝えたかったのです。この箇所の後に、幾つかの話が続きますが、それが狭き門の具体的な内容となります。

 

  • 善い木になりなさい。善い木には良い実りをもたらします。そのためには、自分の周囲にいる弱い人達の存在に目を向けて、友として共に歩みなさい。

 

  • 神の言葉(教訓や価値観)を聴いて、実行しなさい。聴くだけで終わることなく、しっかりと実行し良い実りをもたらしなさい。

 

そのように人生を歩めば、あなたは岩の上に建てた家のようになれます。すなわち、しっかりした土台を持つことにより、どんな災難にも乗り越える力、生きる力を得ることが出来ると伝えているのです。感じ方や考え方がここ違うので、その自制の歩み方も異なります。だから、この狭い門は、固有の門と言えるかもしれません。恐らく、その門には私たち一人一人の名前が書かれていることでしょう。そういう門を見出してほしいと願っています。