生徒の反応@校長の『朝のはなし』

おはようございます。

 

先週は「なぜNHKへの投稿とヤフコメで内容が対極なのか?」という問いをみなさんにぶつけたところ多くのコメントが届きました。総数はなんと556件、しかもその66%は高校生でした。初めての試みでしたが想像以上の皆さんの参加、ありがとうございました!

 

しかも皆さんの意見は論理だった素晴らしいものでした!サレジオ生のクオリティー高い!そんな中からいくつか紹介したいと思います。まずはこんな意見。

 

「2つ可能性が考えられます。一つ目はNHKが番組の意図に沿う意見のみを抽出している可能性。二つ目はNHKの視聴者層とYahooでのコメントをする層が違うという可能性があります。ですが個人的には前者の方が可能性としては高いと思います。」実に明瞭簡潔。彼の意見を手掛かりにしましょう。

 

一つ目の指摘は受け手のNHKが編集意図に取捨選択した可能性。この点について多くの生徒も指摘していました。さらに「メディアの情報は都合よく作られているから」「情報操作」という指摘もありました。メディアを鵜呑みにしないという姿勢を皆さんが持っていることが分かります。「情報を中立的に判断できないことを知っておく必要がある。」というコメント、深いですね。

 

二つ目の指摘。送り手であるコメントする人の層が違うという可能性。これについても他の生徒が指摘しています。

 

NHKの方はその番組を見たくて見ているので外国人の医療支援をいくらか肯定的に受け取っている人たちが多いと思われるが、ヤフコメのようなところはふと目についたときに投稿をするので批判的な意見も多くなる傾向にあると思われる。」という意見がある一方、「一瞬の同情心だけで助けてあげたいというコメントだけ打って実際にはそんなことしない、NHKに映るから綺麗事を書いているだけな気もします」という意見もありました。う~ん、なるほど。

 

年齢層については「ツイッターは若い人が多く使っており、最近の国際社会を意識した教育を受けた人たちの意見が多く反映されたと思う。逆に、ヤフコメはイメージでしかないが、年取った人ばかり使っている印象なので考えが固くなりがちなのかなと思う。」実際そうなのか、利用者の年齢層について統計を取りエビデンスを上げながら検証すると総合探求の論文として面白いものが書けるかもしれません。

 

匿名性が影響しているという多くの指摘がありました。

NHKの方は、番組でIDとコメントが紹介されるため好意的な意見が多くなり、yahooの方はコメントが匿名性もより高いため批判的なコメントが多いと考えています。また、ヤフコメは批判的な意見が多いとある程度知られていて、同じ意見の人が集まることで批判的なコメント欄がより増長されている気がします。」

 

「匿名だと心の中で思っていることを包み隠さずに発信できる」のか「匿名性は過激な誹謗中傷につながる」のか、匿名性の意義については判断が分かれます。

 

ごく身近な例を挙げてくれる人がいました。

「自分をいかに他人化できるかが関係していると思います。例えばこのコメントを校長が見ると聞いているので私は真面目にコメントを打っています。しかしこのコメントが匿名性を保ちながら投稿できるとしたらどうでしょう。こんな真面目なことを書くでしょうか(少なくとも私は真面目に打ちます)。」正直でよろしい。

 

最後にもう一つ。「同じような種類の人が同じようなところに集まるから。」この生徒が寄せてくれた短いコメントに現代社会の分断の影がはっきり描かれています。一つの場所には同じ意見の人しかいない。居心地が良いようで、ちょっと薄気味悪くありません?

今回みなさんの意見を聞いてとても勉強になりました。全部を紹介できずに残念です。また聞いてみたいと思います。その時もよろしく!