全校集会での話
「理想的な世界」とはすべての人の尊厳が保たれる世界のことでしょう。
しかし現状では人種差別、経済格差、戦争、自然災害で
多くの人が苦しみ傷つき亡くなっています。
だからその人々にリスペクトを払い、
彼らの問題を解決していく人こそが本当の意味で世界に貢献できる人、
グローバル人材と言えるます。
他者へのリスペクトを示す、これは地球規模での活動だけでなく、
私たちの日常での生活、クラス中で、学校の中で、通学路で、電車の中で実践できます。
グローバルな規模で要求されていることと
日常の徹底的なローカルな規模で要求されていることは同じです。
そしてグローバルな問題でも、
日常生活の問題でも多くの課題には唯一の正解がない、
ということも共通してます。
今朝経験した一つの出来事を例にとってみましょう。
今朝、通学路の公園の角にある自動販売機を見ました。
このゴミ箱には飲み終えたペットボトルがゴミ箱から溢れ、
ゴミ箱の周辺に散乱していました。さあ皆さんはどうしますか?
一番最初に浮かぶことはおそらく
「校長先生はボランティア活動でペットボトルを片付けることを勧めているんだな」
と思うでしょう。
でも今日は別の視点から考えてみましょう。
つまり 「どうしたらゴミがあふれないようなるか?根本的解決法とは何だろう?」
と考えてみることです。
先ほどのボランティア。
「自分たちのゴミを片付けていれば自然と近隣の人々は感化されポイ捨てをやめるようになるはずだ」
こう考えるならばこれも解決法として「あり」ですね。
あるいは、そもそもゴミ箱を置かないという手段もあるかもしれません。
自動販売機の管理会社にゴミを回収してもらうよう交渉することのはどうでしょうか。
ペットボトルをつぶす機械を横におけばいい?
そうすると同じサイズのゴミ箱でもペットボトルの収容量は増えますね。
これ以外にも策たくさんあるだろうし、どれも解決法として有効でしょう。
そこには普遍的に唯一の解決法や教科書的な正解はないので、
私たちは「最適なものは何か」という問いから始めることになります。
つまりグローバルな課題でもローカルな課題でも、唯一の正解はなく、
「最適解」を見つけていくことが求められるということです。
まとめてみましょう。
グローバルとローカルはひとつの視点から捉えられる両極のようなものです。
日常生活で自分の隣にいる人と出会い、リスペクトを示すことによって、
その向こうにあるグローバル人材としての道を歩んでいってください。
徹底的にローカルでありながら、グローバルである自分の世界を広げてみましょう。
サレジオ学院の教室の窓から世界の風景が見えるはずです。
お知らせ:
新たに実施する予定のカナダ・ホームステイの企画、
オーストラリア短期留学の紹介を簡単にしました。