「先生には内緒」
私の大恩人でもあり、森林インストラクターの高橋良寿さんに教わった話です。
建築材として優秀なスギやヒノキ。植林しては下草を刈り、枝打ちに間伐・・・と、それは丁寧に手をかけて育てて行きます。このように、環境を整え、手をかけた分だけ早く生長し、早く木材として利用できるという寸法です。ところが、早く成長するということは年輪の間隔が広がるということ。つまり、手をかけた分だけ、成長は早いが質の低い、目の荒い材になってしまうそうです。反対に、厳しい環境に育った樹は、質のよい丈夫な樹に育っていく。
木材の話をしたいわけではありません。アッシステンツァのあり方についての話。サレジオ的アッシステンツァの真の目的は「質の悪い生徒をサッサと育て上げる」ことではなく、自分本来の召命を生きてもらうために「与えられているものを目一杯に引き出してあげる」こと。そのためには、時として優しさで包み込む以外のやり方、突き放すようなやり方も有り得ます。
先日、先生に「バカ」といわれ、「酷いと思いません?」と笑いながら訴えてきたあなた。あなたも気づいている通り、その先生は愛も無く「バカ呼ばわり」したわけではありません。私は、色々な先生方から様々な生徒に関する話を聞いているから、良く知っているのです。ですから、先生にチョッと厳しく指導されて凹んでしまったら、是非、話しに来てください。その先生が「あなたの事をいかに大切に思っているか」、コッソリ教えてあげましょう。先生には内緒で・・・。