「主の祈り」 <その1>
今回の企画は、おそらく皆さんが一番親しんでいる祈り=主の祈りについて、数回にわたって解説していきたいと思います。サレジオ生にとっては、唱える機会の一番多いものですが、果たしてその意味を深く理解しているでしょうか。あらためて見つめ直してみましょう。
さて、主の祈りの中で一番多く使われている語は何でしょうか。ちょっと考えて見てください。…それは、「わたしたち」というフレーズです。つまり、主の祈りは「わたしの祈り」ではなく「わたしたちの祈り」だと言うことができます。個人的な祈りではなくグループの、共同体の、社会の祈りだと言い換えてもいいでしょう。これは、とても重要なことですが、あまり意識されてはいないようです。今回は、主の祈りが「わたしたちの祈り」であるということを意識できるようにと話をしています。
たとえば「わたしたちの罪をおゆるし下さい」というのと「わたしの罪をおゆるし下さい」というのでは、ものがどのように違って見えるでしょうか。そして、その結果、私たちの行動がどのように違って来るのでしょうか。来週までに、じっくりと考えておいてください。