あなたがたは地の塩、世の光である 〔卒業式〕

「地の塩。世の光」、このとても有名なこの言葉を卒業に当たって皆さんに送りたいと思います。

 

実はこの個所は亀田先生からのリクエストで決めさせていただきました。
塩は料理の味付けにとって欠くことができないものです。また塩は防腐剤としても利用されていました。

清めのしきたりに塩を使いますが、元を辿ればここに行き着くのでしょう。

「あなたがたは塩である」とイエス様がおっしゃるとき、

それはあなたが関わる人の人生に「ひと味」加える、清める、

そんな存在になりなさいとおっしゃっているのでしょう。

 

なぜ光でしょうか? 周りを照らす、人の心を明るくする、

導くといういったニュアンスでイエス様は使われています。

つまり塩も光も「他者のため」のあり方を示しています。
塩と光にはまだ共通点があります。それは塩も光もそれ自体は対して意識されないということでです。

誰にも気づかれない、ここが大切です。日常生活を考えてみてください。

誰も塩をそのまま食べません。かえって素材の味、料理の味を引き立てるために使います。

食べるとき塩がそこにあること自体気づきません。

 

ロウソクのことを考えてください。ロウソクは自分の身を溶かし削って,人や周りを照らします。

他者のために自分の存在を燃やし続ける、「他者を活かすために自分は小さい者となっていく . . .

「塩」「光」、それはまさにイエス様の自己犠牲の人生そのものであったわけです。
イエス様は「あなたは〜である」と言い切っています。

「あなたは既にそうなんだ!」という意味合いも読み取れますし、

理想をあえて現実のものとして表現し強烈に「どうしてもそうなりなさい!」

と求めているとも読み取ることが出来るでしょう。

 

皆さんもサレジオ学院で6年間過ごし、ドンボスコの精神やキリスト教にふれるなかで、

すでに「塩」「光」という存在になっています。その気持ちで皆さんにこの言葉を贈ります。

世界を見渡すとそこには分裂、闇、憎しみ、悲しみが多くあります。多くの人が傷ついています。

世界は塩であり光である皆さんを待ち望んでいます。

 

皆さんは本当の意味でのグローバル人材です。その使命をすでに持っているのです。
皆さんはもっと大きな世界に翔び立とうとしています。

その時の羅針盤としてこの塩と光があればと願っています。

 

卒業おめでとうございます。