心の叫び
戦争が起こっています。お互いが「敵」の「非人間的行為」を非難し合っていて、中には敵国の人々を「human animals=人間のような動物」とまで断言し、自己を正当化しようとしている人々がいます。これは本当に心が痛みます。「人を人とも思わない」という言葉にも表れている通り、人を人として尊重できないということは、自らも人としての本質を投げ捨てることに等しい。そして、人をこのような状況に追い込んでしまうのが戦争です。
今日は、一緒に平和のために祈りたいと思います。日本人の多くは、祈りを、何か念のようなものを発信することだと考えたり、ご利益を得るために神に求めること限定で捉えたりしているようですが、キリスト教では祈りを「神との対話」と位置付けています。対話ですから、話したり聞いたりですね。自分から神さまに向けた祈りとしては、失敗をお詫びしたり、願い事をしたり、頂いたお恵みに感謝したり、褒め称えたり…などですが、つまりは、自分の心を打ち明ける事、心の叫びです。
先週の高木先生のお話。ドン・ボスコの言葉「最善を尽くして、あとは神に任せなさい」でいえば、後半部分の「神に任せる」ところが祈りに繋がります。最善を尽くしても届かない、しかし、決して諦めてしまうことのできないゴールがあるとき、心の叫びを神に向けましょう。
では、少し目を閉じて一緒に祈ってください。戦争で命を奪われた人々、尊厳を奪われた人々、家族を失った人々、子どもたち、殺戮行為を強要された人々、自己を正当化する人々、戦争を推し進める人々、戦争に関わる全ての人々、そして無関心でいる人々を神さまが顧みてくだり、必要な援けを与えてくださいますように。