2023年11月18日
朝の話(定光教頭)
皆さん、おはようございます。本日は、榎本神父様にかわり、私がお話をすることになりました。どうぞよろしくお願いいたします。
さて、皆さんは今日サレジオ学院で同窓会が行われるのをご存知でしょうか。27期と52期の先輩方が本校に戻ってきます。先月は同様に、26期と51期の同窓会が行われました。
26期といえば、今から38年前のこと。私が初めて担任で受け持った学年です。当時の校舎は川崎市の鷺沼にありました。同窓会当日には、41名の卒業生がサレジオに集まってくれました。年にして51歳。皆いいおじさんです。教え子の進路は多岐にわたっています。サレジオ学院で美術を教えている藤井先生を筆頭に、商社マンや証券マン、建築家や音楽家、官僚や医者、会社経営者やマスコミ関係者、それに北海道で酪農を営んでいる者やサレジオ会の神父様までいらっしゃいます。それぞれの召命は多様ですが、みんな社会で立派に活躍されています。
ところが、同窓会当日、出席するはずであった教え子が一人、参加できませんでした。入院中だったのです。彼は4年前に大動脈解離という大病を患い、一時は無事に退院したものの、今年に入り再び患部に悪い菌が見つかり、年始はとても深刻な状態でした。生きる手段としては再度の心臓手術しかなく、本人も主治医から命の危険を宣告されるほどでした。
そのような状況下、同級生の中から、彼のために何かできることはないか、という声が上がり、その呼びかけに呼応する形でネットを通じて祈りの輪が形成されたのです。“具体的にできることはないけれど、祈りであれば皆心一つにして、彼のために祈ることができる。”
手術当日には50名を超える生徒とかつての担任団が、それぞれの持ち場で、入れ替わり立ち替わり祈りの輪に加わり、彼のために祈ってくれました。手術に要した時間は約13時間強。しかし、祈りの甲斐あってか、彼は奇跡的に回復し、現在はリハビリに励んでいます。
サレジオ生の特徴の一つは、友達を大切にし、互いの個性を尊重し合うことができる、という点だと思います。6カ年在学中には、26期生も喧嘩を含め様々な出来事がありました。しかし、当時は辛く苦しかったことも、今では全てが笑い話です。卒業後も皆色々な形で繋がっており、何かあった時には、すぐに集まり、必ず力になってくれています。
現在、サレジオには1094名の生徒が在籍しています。一人一人違っていても、皆掛け替えのない存在です。サレジオ6ヵ年で培った友情は、君たちにとっても、必ずどこかで支えとなり、助けとなってくれるはずです。お互いを大切にし合い、重大な岐路に立たされた時にこそ力になってくれる友、これぞサレジアンではないでしょうか。
在校生の皆さんも、様々な違いがあってもお互いを認め合い、サレジアンとしての絆をこれからも育んでいってください。一生の宝になるはずです。
それでは、今日の日が皆さんにとって素晴らしい1日となりますように。ありがとうございました。