2025年01月28日

「希望に錨をおろし、若者とともに歩もう」解説文から

1月31日は本校の創立者ドン・ボスコの命日です。それゆえ、2025年度の世界のサレジオ会の年間目標「希望に錨をおろし、若者とともに歩もう」の解説文からステファノ・マルトーリョ総長代理の言葉を引用します。

 

今日では技術の進歩によって数多くのことが楽になりましたが、逆に人間のほんとうのよろこびは何ら増大してはいません。その代わり、苦悩が増し、吐き気がおさまらず、人生の意味のなさがより深刻に実感され、虚無感が蔓延し、残念ながら特に経済的に裕福な社会では、青少年の自殺が増えつづける、という悲惨な統計が大人の心を悲しませます。

 

今日、人類の大部分を依然として苦しめている物質的な貧困を解決することに加えて、若者たちが人生の意味を見つけ出し、より高尚な理想に目覚め、イエス・キリストの生き方と呼びかけの独創性を理解するのを助ける方法を見つけることが急務です。

 

誰もがしあわせになりたいと強く望みつつも、しあわせになるための正しい道はもはや知られておらず、大きな幻滅だけが、まるで荒涼とした砂漠のように広がっています。

 

若者たちは、生きる意味を諭す重要な呼びかけをする大人たちが登場することを強く望みます。しかし適切な指導ができる大人がいないので、ますます苦しみあえぎ、自分の義務を途中で投げ出し、誰かに献身的に尽くす思いやり深さからも遠ざかります。理想を追い求め、自分の使命に対する忠実な姿勢が壊れたことが、いまや社会の大問題となり、すさみの状況は決して覆せないほど決定的です。若者たちは、もはや苦しみや犠牲を受け容れることができないので、富の追求だけを過剰に望むほどです。もはや若者たちの愛する能力はしぼみ、未来を夢見る能力もまた抑圧されています。

 

[しかしドン・ボスコから「よろこびの感覚」を学びましょう](翻訳者によって一部改変しました)。決して落ち込まず、むしろ自信をいだいて明るい表情であらゆることに立ち向かうほどに心の底にみなぎる活力とは、この地上において、すでに「報いとしての楽園=天国」が始まるという感覚です。

 

以上、個人的な翻訳でした。

ストレンナ2025