始業式 学校長の話
新しい学年が始まりました。ひとつ学年が上がりました。
みなさんと一緒にこの時、この場所を共有できることを
とても嬉しく思います。今年も宜しくお願いします。
また新入生の皆さん、ようこそサレジオへ。
何もかも新しいことばかりで戸惑うことも
あると思いますが、すぐに慣れるでしょう。
安心して下さい。
今日は、ひとつのフレーズで今日の話を始めます。
It is only with the heart that one can see rightly,what is essential is invisible to the eye.
(心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ。かんじんなことは、目に見えないんだよ。)
これはサンテクジュペリ作『星の王子さま』の中にある有名な言葉です。
「目に見えないもの」とは何でしょうか。
それは見えているものの向こう側にある何かです。
目に見えないけれど存在しているものがある。
それを感じられる心、これがサレジアンが
身につけるべき資質です。
昨日も話しましたが、毎日家で食卓にでるおかず、
テーブルに座って目の前にある料理を
思い浮かべてください。
夕食を目にするとき、そこに何が見えますか?
皆さんは毎日食卓に出るおかずの中に
お母さんの愛情を見ることができますか?
「いただきます」と感謝の心を持って食べていますか?
感謝の心が湧いてこないのは「見えない現実」、
親の愛情が見えていなからです。
中2以上の皆さんはすでにサレジオで生活しているので
分かると思いますが、学校の廊下やトイレは
いつもきれいです。
また昨日あった汚れがなくなっています。
昨日あった埃がなくなっている廊下の向こう側に
毎日掃除をしてくださっている営繕の方々の
皆さんへの愛情を感じることできるようにしてください。
見えるものの向こう側を見通せる心が
感謝の気持ちとなります。
「目に見えるもの」の向こう側をイメージし、
「目に見える」範囲を超えていこうと
歩みを進めることが大切です。
というわけで今年は、
このサンテクジュペリのフレーズを軸に
「目に見えないもの」というテーマで
一緒に考えていきたいと思います。
さぁ水平線の手前にある目に見える範囲、
水平線の向こうにあるものを探求していきましょう。