始業式の話:10000という数字が示す意味

 新しい学期を始めることができました。そのことを神様に感謝しながら、またイタリアの地震、東北・北海道を襲った台風で被害を受けた方々ために「主の祈り」を唱えましょう。

 さて4257という数字を聞くときなにを思い浮かべますか?4257はイチロー選手が日米で打った安打数がピートローズの安打数を抜いた数字です。イチロー選手のこの偉業をみなさん知っていますね。では安打ではなく、一番凡打の多い選手、一番打ち損ねた選手は誰でしょう?イチロー選手です。知ってました?

 ある記事にこのようなことが書いてありました。イチロー選手が4257本のヒットを打つのに要した打席数は14339。引き算をすると凡打数10082。イチロー選手には10000回以上ヒットにならなかった打席があることになりますね。イチロー選手は凡打の数でもトップなのです。

 ところでこの10000という数字をどう考えますか?10000回バッターボックスに立ったなんて気の遠くなるような数字です。仮に1年間野手としてレギュラーで出場すると年間で約400打席とだそうです。すると10000打席に到達するために25年はかかります。18歳でプロ入りして40歳、まだ現役でレギュラーとしてプレーしないと到達できない数字です。

 プロの世界ですから実力とコンディションが揃っていないと試合に出場できません。バッターボックスに立てない。どんなに試合に出たくてもスタメンは監督が決めます。ケガによる長期離脱もできない。コンスタントに試合に出るためには、体調を管理し、怪我をしないようにし、技術を磨くため練習しないといけない。つまり成功するために努力し、無駄を厭わず毎日の研鑽を積んだ証が10000という数字なのです。

 華やかな「成功の数字」ばかりに目が行きがちですが、もし自分が何かを成し遂げたいなら、実は「誰も目にとめない数字」に目を向ける必要があると思いませんか。「見えていないもの」を見るときに本物が見えてくるのではないでしょうか。

 皆さんはすぐに結果につながらないかもしれないことに対してどれだけ努力していますか?たとえだれも評価してくれなくても地道な努力を続けていけているでしょうか?この「見えないもの」の大切さを意識しましょう。

 さあ2学期が始まります。新しい気持ちで、勉強、部活、サレ祭に向かっていきましょう。先生たちは皆さんのそばでいつも応援してます。また困ったときには相談にのります。一緒に頑張っていきましょう。