今日はキリスト教神学者、ディートリッヒ・ボンヘッファーのことばから・・・。

 

「日ごろ、我々は与えるよりもいかに多くを受けているか、ほとんど気に留めることがない。
だが、このような感謝を欠いたまま、人生が豊かになるなどあり得ない。」

 Letters and Papers from Prison -Dietrich Bonhoeffer

 

 これ・・・気づいていないだけですから、じっくりと自分を振り返って見たとき、大抵の人は賛同できるようです。しかし、みんながみんな「与えるよりも多くを受けている」としたら計算が合いません。・・・増えた分は一体どこから来るのか。今日は「価値観」をキーワードに考えて見ましょう。

  

 共通の価値観を持つことの喜びはひとしおですが、多様な価値観を受け容れる雰囲気は更に素晴らしい。価値観は人によって・時によって・場所によって違うし、それが自然なこと。ですから、あなたが受けた「極めてありがたいもの」を、くれた人は「当たり前」と思っていたり、また、だれかが「心底追い詰められている」ときに、あなたは「何気なく」手を差し伸べたりしている。

 

 こんな具合ですから、自分だけを振り返ったとき「当たり前のことをしている割には価値あるものを受けている」と考えるのは当然。この価値観の違いがあるからこそ、みんなが幸せを感じられる。限られたものを奪い合う必要はないからです。

  

価値観の違いには、人々がお互いを幸せにし合えるように、神様の期待が織り込まれているのです。