2024年07月22日

「フィジー語学研修」3日目

引率教員が綴るFIJIの日々(3日目 Monday)

「本日も晴天なり」

 

語学学校での授業、初日。授業開始は8時。普段のサレジオの学校生活よりも早い。とはいえ、近ければ徒歩、遠くてもタクシーで15分程度の距離からの通学ということもあり、余裕を持った朝を迎えた生徒も多い様子。ホストファミリーとも徐々に打ち解けてきているようだ。

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Lautoka校の授業は、先生が陽気に鳴らすハンドベルの音で始まる。遅刻者二名。うちひとりはホストファミリーが頼んだタクシーがなかなか来ないということで、家の前で自力でタクシーを捕まえて(通りがかりのタクシーに捕まえられて?)GoogleMapで指示して到着したというのだから、ある意味立派なものではある。

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これから一週間の授業は、基本的に10名程度のグループふたつに分かれて行われる。今日は初回の授業ということもあって、自己紹介に始まり、簡単なゲームでアイスブレイクなどをしながら、徐々に午後のアクティビティー(本日でいえばマーケットでの買い物)を想定したロールプレイなど実用的な内容に移っていく。

 

休み時間。近からず遠からずの距離で会話に耳を向けると、校則のEOP(EnglishOnlyPolicy)を守ろうと健気な様子がある。(*引率教員の自分がつい日本語で話しかけてしまうことがあった。この場を借りて謝罪します、ごめんなさい。)最初の休み時間のもっぱらの話題は、売店で水が買えるらしいこと。生徒たちは水分補給がいかに重要かを、すでに文字通り肌で感じている。売店で購入したペットボトルを抱えていればちょっとしたヒーローである。

“That water, how much?”

“This? Two…two five…oh, two fif…fifty dollar!”

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昼食。ホストファミリーが用意してくれた「弁当」持参の子もいれば、売店のランチボックスを買って食べる生徒もいる。Fijiで口にする料理全般に言えることだが、個人的にはこの、食品の味をそのまま生かすシンプルなスタイルや、調味料のガンガン入ったカレーも好きであることを前置きとした上で言うなら、数日もすれば(いや、すでに)、生徒の中には、日々「当たり前」にそこにある色とりどりの弁当や栄養バランスの考えられた給食、各家庭での食事、はたまたコンビニやスーパーで手軽に買える商品のありがたみを感じる子たちも出てくることだろう。

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ある程度予想していたことではあるが、この頃からEOPが崩れ始める。中学2年生なので(いや高校生であっても)日常会話を英語で続けるのは難しいだろう。せっかくだからたくさんおしゃべりして欲しい気持ちはある。ただ、すでに彼らには伝えたことだが、同じキャンパスには個人で留学に来ている生徒数十名が校舎を共にしており、必ずしも英語が達者とはいえない生徒も含めて彼ら彼女らがEOPを徹底する姿をみてなにか感じるものが、まずはあって欲しいと願う。

 

午後の授業をひとつ終えた後は、学校から20分ほど歩いてのマーケット散策。ここは地元の人が利用する中央市場であり、所狭しと野菜や果物などが売られている。生徒たちは定番のパイナップルバーを頬張る。市場の中の独特の雰囲気とむんむんとした空気で火照る体には「沁み入る」ような味だったらしい。

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そのまま市場内でインタビューを敢行。午前中の授業で学んだフレーズや与えられたインタビューシートを頼りにマーケットで商品を売る人たちにいくつか質問をしていく。

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一通りインタビューが終わると、ホストファミリーへのお土産選び。“How much?”が彼らにとってより実体のある、リアルな言葉になっていく。ほとんどの生徒が果物を選ぶ中で、玉ねぎを選ぶ生徒がいた。

「今夜こそカレーを作って欲しいんで。」

袋いっぱいの玉ねぎを持ってタクシーに乗り込む姿がなんとも頼もしかった。

 

明日は授業2日目、そして異文化体験(クッキング)が待っている。