2024年07月25日
「フィジー語学研修」6日目
引率教員が綴るFIJIの日々(6日目 Thursday)曇りのち肌に優しい湿り気のある微風
始業前。“Teacher, please, um, check today’s my speech.” 大学訪問の際の挨拶を考えておいて欲しいとお願いしてあった生徒。見かけるたびに、友達に聞いてもらいながら練習を続けている。引率教員である私が代表でそれっぽいことを話すよりも、必要以外の時はあくまで前座に徹し、機会があればメインステージを生徒に譲る。これによりこのプログラムの教育的効果は鰻登りなのだ(しかも働き方改革?)。
授業。本日のテーマはCareer Aspirations。ここに来ている生徒たちは将来やりたいことが具体的にある子も多いようだ。中には、なにかといえばmoneyと言っていた生徒もいたが、それが良い悪いではなく、フィジーでのいろんな体験が糧のひとつとなり、自分がどうありたいか、いろんな視点から考えたうえで選んでゆくことのできる人になれますように。君たちは、それを願えばできる環境にいるのだから。
今日からは語学レッスンに加えて、卒業セレモニーで披露する歌やダンスの練習も始まる。歌うのは、我らがサレジオ学院の校歌とMichael JacksonのHeal the Worldに決まった。ダンスはそれぞれのクラスで一曲ずつ選ぶ。どちらの小さな教室にも、フィジアンの耳には慣れない音楽が鳴り響き、見たことのない体の動き(*「振付け」と言いたいが、練習開始時点でサレジオ生がどれほど踊れるか想像してみてほしい)を始める生徒たち。ときに、先生たちは爆笑である。
もちろん、生徒の中にはこういった陽気なことが苦手な子もいるが、まずはリズムに合わせてちょっと足を動かして一緒にステップを踏んでみること。そうやって自分の殻を少しだけでも破ってみる。そんな「自分で決めたんだ」と思える経験のひとつひとつが、彼らの歩みを豊かなものにしてくれる。
お昼。昨年お世話になったレナ先生の息子さん(小学生)と生徒が遊び始める。球技が得意でない様子の少年。バレーは断念し、身振り手振りでコミュニケーションをとりながら、少年独特ルールのボール当て鬼ごっこなのかなんなのかよくわからないゲームに、最初は困惑しながらも、気づけば嬉々として楽しみ始めるサレジアンたち。彼らはちゃんと思いやりのある青年に育っているのです。・・・・・・もしくは、単に小学生の心を失っていない少年たちです。
午後のアクティビティーは、Fiji National University訪問。食堂のような場所で簡単に自己紹介があり、みっつのグループに分かれて学校案内をしてもらう。ほぼ全ての建物を巡る徹底ぶり。職員駐車場を紹介されても、彼らはちゃんと写真を撮っている。やはり、彼らは気遣いのできる青年に育っているのだ!・・・・・・もしくは、単に説明が全然わからず、とりあえず写真を撮らなくてはと必死な、英語はまだちょっと苦手な少年たちなのだ。
最後はベンチでスナックを頬張り、しばし休憩をしながら案内役、そしてたまたまその場にいた学生との交流の時間となった。
一旦スクールバスで学校に戻り、各々グループに分かれてタクシーを待つ。今日聞いた話だと、こちらに来て初めて洗濯をしたという生徒は、なんと2時間かかってしまったいう。どうやら、家の洗濯機が3年前から壊れているとのことで、手洗いしました、と。
そっかそっか、ちなみに、俺も毎日手洗い、日干しだよ(ホントの話。)
彼にとってなにかの慰めになったことを願わんばかり。
明日は、有機農業を行うFRIEND訪問での農業体験が待っている。