2024年07月27日
「フィジー語学研修」8日目
引率教員が綴るFIJIの日々(8日目 Saturday)
陽気な空に、ひんやりと風吹く日。
集合、7時。遅れてきた生徒、「タクシーが…」。遅れてきたフィジーの先生、「寝坊」。遅れてきたバス運転手さん、「寝坊」。フィジータイムとの時差ぼけ。
この一週間ですっかりフィジーに慣れてきた生徒たち。スマホをほとんど気にすることなく過ごす生徒もいる一方、なにかとここではないどこかに気持ちが向いてしまう生徒も目につくようになった。せっかくフィジーにいるのに「もったいない」、という感覚は押しつけがましいのかもしれないが、それも先生の役割なのだと自分に言い聞かせ、これまでとはすこしトーンを変えて話をした昨日。
そんなこんなでバスを待つ間の、待ちぼうけ。いつからか、生徒のなかにトラ模様のちいさな野良ネコ。そのうち、庭にある植物を猫じゃらしに見立てて、ネコと遊び始める生徒たち(羨ましい気持ちをぐっととこらえ、レンズを向け続ける)。
訪れた土地で出会ったなにかに興味を惹かれ、そのとき自分がいる場所をきょろきょろ見渡し、ひらめき、友達と一緒にわくわくする。それはきっと、豊かな時間なんだと思うよ。
二度のトイレ休憩を挟み、バスに揺られること2時間半、Tavuni Hill Fort訪問。小高い丘の上に築かれた砦は、フィジーにおけるキリスト教以前の歴史、つまり18世紀初頭にこの地へと移り住んできたTongansと原住民Fijiansの部族闘争と、そして共生への歩みの歴史を感じさせてくれる場所である。そんな数百年の時間の流れに思いを馳せていたかはわからないが、遠い海を渡ったサレジアンたちが同じくThe Sigatoka Riverを眺めている。
しばしのハイキングの後は、伝統料理を堪能。そして、伝統舞踏のMeke。手拍子と乾いた木で奏でられるリズム、その土地の飾材で美しく着飾られたフィジアンの、激しくも温かくもある踊りと歌での歓迎、そしてお別れ。
お礼の気持ちを込めた校歌の、サレジアンの優しい歌声が静かな砦に響き渡った。
明日は、地元の教会でのミサ、そしてフィジー名物の泥温泉が待っている。