2023年09月30日
朝のはなし(アロンソホアンマテオ先生)
皆さんは聖フィリッポ・ネリをご存じでしょうか?
彼はドン・ボスコよりも300年前に活躍し、最初のオラトリオを開いた聖人です。
今日は、私の反省の意を込めて、彼にまつわる一つのエピソードを紹介したいと思います。
ある男性が妬みに駆られて、知人について酷い噂を流してしまい、その人の名誉を傷つけてしまったのです。罪悪感に襲われた彼は、罪の赦しを求めてフィリッポ・ネリのもとを訪ねました。男性の告白を聞いたフィリポ・ネリは次のように提案しました。
「市場に行って鶏を買ってきなさい。ただし、羽を一つ残らず抜いておくれ。それをもって一緒にお詫びをしに行こうではないか」
男性は言われた通りにして、フィリッポ・ネリの元に戻る道すがら、羽をむしり取っていきました。羽は風に飛ばされて町のいたるところに散乱していました。フィリッポ・ネリの元に到着すると、聖人が言いました
「よし、よくやった! それじゃ、来た道を戻って羽を全て集めて来てくれないか」
男性は唖然としてしまいました。そんなことできるはずがありません。フィリッポ・ネリは男性の肩に手を置いて言いました。「あなたがやってしまったことはこういうことだ。噂が一度広まってしまえば、もう取り返しが付かないのだよ」と。
そういえば、ドン・ボスコも「他人については肯定的に語るか、まったく語らないかにしなさい」と言っていましたね。気を付けたいと思います。
それでは、よい一日でありますように。