2024年11月28日

イエスのまなざし(教皇フランシスコ回勅より)  

イエス・キリストの心の温かさを見直すよう呼びかける教皇フランシスコは20241024日に新しい回勅『彼(主イエス・キリスト)は私たちを大切にされた[ローマ8・37]—イエス・キリストのみこころの人間らしい愛と神らしい愛について』Dilexit nos)を発表しました。

 

一部を引用します。(阿部仲麻呂による試訳)

 

イエスのまなざし3942項]

 

39項 福音書には、ある金持ちが理想に燃えながらも人生を変える力に欠けた状態でイエスのもとにやって来たと書かれています。イエスは『彼を見つめました』(マルコ 10:21)。その瞬間を、つまり彼とイエスの目が出会う瞬間を想像できますか。イエスがあなたを呼び、使命に授けるとき、まずあなたを見て、あなたの心の奥底を探り、あなたのことをすべて理解してから、あなたに視線を向けます。中略」。

 

40項 福音書のほとんどのページは、イエスがいかに個人に、とりわけ相手の問題や必要に気を配っていたかを示します。『イエスは群衆を見て、彼らが困窮し、助けを必要としているのを見て、深く憐れまれた』(マタイ9:36)とも書かれています。誰もが私たちを無視し、私たちの身に何が起きても誰も気にかけず、私たちは誰にとっても重要ではないと感じるときでさえも、イエスだけは私たちのことを気遣ってくれます。中略」。

 

41項 イエスは、まさに私たちへの気遣いから、私たちの善意や小さな慈善行為をすべて知っています。福音書には、イエスがかつて『貧しいやもめが神殿の献金箱に小さな銅貨二つを入れているのを見て』(ルカ21:2)、すぐに弟子たちにそのことを伝えたと書かれています。このようにイエスは、私たちの心のなかに見られる善良さを評価します。中略。たとえ他​​の人が私たちの善意や行為に気づかなくても、イエスだけは私たちを見て高く評価しているというのは、なんと心強いことでしょう」。

 

42項 イエスは人間として、母マリアから次のことを学びました。マリアは自分が経験したことを注意深く思いめぐらせました。彼女は『それを心に留めた』(ルカ2:19, 51)のですし、聖ヨセフとともに、幼いころからイエスに同じように注意を払うよう教えました」。

 

朝のはなし20241128

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