「自己選択の錯覚」 〜環境という洗脳システム〜

京都大学名誉教授本庶佑さんのノーベル賞受賞が発表されました。時の人として多くの情報が提供されましたが、みなさんはどのような点に目を留めたでしょうか。
 

私は、「有名な科学雑誌に出ているものの9割は嘘で、10年後に残るのは1割だと思う。」とか、「論文とか書いてあることを信じない。自分の目で確信ができるまでやる。」あるいは、(これは研究の道を志す小中学生に向けた言葉ですが、「教科書に書いてあることを信じないで、自分の目でものを見、そして納得すること。そこまで諦めない。」といった考え方が印象的でした。つまるところ「大切な判断を他人任せにせず、自分自身で徹底的に究明する」ということ。大賛成です。
  

実はこれ、昨今の青少年に欠けている点です。試験というシステムに慣らされ、「用意された(=他人が用意した)解答を、正答として受け容れる」素地が出来上がっている。自分の回答が出題者の用意した解答と違うと、全く評価されないという経験を繰り返し、「他人の判断を自分のものとして容認」するようになっている。人生にとって極めて重要な問題に対しても、真剣に考えること無く、雰囲気に流されて安易に結論を出す。そして、答えが出ていることに安心し、それ以上深く考えようとしない。
 

提案があります。あなたが「神」を肯定しているにしても、否定しているにしても、本当にそれが徹底的究明によって導き出された「あなた自身の判断」かどうか、繰り返し問い直してみませんか。