「情けは人のためならず」という言い回し、サレ生ならば当然知っていますね。もちろん意味の方も大丈夫ですよね。近年、あまりに間違った解釈が横行しているので、なんと文化庁のホームページに解説が載る事態に発展しているようです。

  

 

念のために確認しておくと、「人に情けを掛けておくと、めぐり巡って結局は自分のためになる」という意味です。「情けをかけて甘やかせると、その人のためにならない」と思っていた人。間違っています。「人のためではなく自分のため」ということなのです。

  

 

ところで、「めぐり巡って」というのは、人に情けをかけると、そういった雰囲気が社会全体に広がり、やがて自分に返ってくる=いつか自分も情けを受ける立場になるという仕組みを指しているのですが、サレジオ的には、さらにもう一つの解釈を加えたいところです。

 

 

それは、人間の召命(森村誠一さんの小説ではなく、神による召し出しという意味)に関わるもので、つまりは「情けをかける行為それ自体が、自分の存在に意味を与える行為=召命の全うである」という解釈です。

  

 

サレジオ生が人に優しくするのは、めぐり巡って人から優しくしてもらうというところに動機があるわけではなく、神から与えられた、持って生れた優しさを使うことで、自分らしく生きる喜びが感じられるからです。人に優しくするために生を受けた。これが皆さんの召命です。

 

 

サレジオ学院から、自分のことだけを考える「情け無い男」を出さないように、良い雰囲気を広げて行きましょう。