今日は『マルコによる福音書』について触れてみたいと思います。新約聖書に納められた4つの福音書の中で、2番目に配置されている『マルコによる福音書』ですが、イエスの言葉と行い、弟子たちや人々の反応が簡潔に描かれており、入門者にとって最適な書と言えるでしょう。

 

さて、今日は冒頭部分をご紹介します。『マルコ』は、旧約聖書に予言されていた「メシア=救い主」の到来がイエスによって実現したということから語り始め、イエスの中心メッセージ「時は満ち、神の国は近づいた。悔い改めて福音を信じなさい」へと続きます。

 

「神の国」は、「天の国」とも表現されるために、「天国≒死んだ後に行く場所」と解釈されがちですが、そうではありません。神の国とは、「神のみ心が実現している様子」を指しています。今、私たちがお互いを尊重し、思いやりを持ち、それを表現しながら生活しているとしたら、それこそが神の国なのです。