ピーキングと世の終わり
主にスポーツ界で用いられている印象がありますが「ピーキング(peaking)」という言葉があります。知っている人も多いでしょう。試合や記録会の日程に合わせて、精神的にも身体的にも…、キリスト者であれば霊的にも、自分を最高のコンディションに調整していく。つまり、ピークを本番に合わせる試みです。身近な例を挙げると、今みなさんが過ごしている「試験準備期間」は、このピーキングのために設けられています。意識していましたか? 学力面だけではなく、身体的にも精神的にも整えていく。これを機に、来る大学受験に向けてピーキングの練習を重ねて行きましょう。
ところで、カトリック教会では今週から「待降節」を迎えています。この季節に教会は、「キリストの降誕=クリスマス」に向けた準備をするだけではなく、「世の終わり」に予定されている「キリストの再臨」に向けた準備もするように勧めています。ところが、この「世の終わり」がいつ来るのかは知らされていません。イエス自身も、その時や時期については「あなたがたの知るところではない(使徒言行録1章7節)」と言っています。
さあ大変。私たちはいつ来るか分からない「世の終わり」に向けてピーキングをすることができません。では、どうしたら良いのでしょうか? 例によって正解を提供しませんので、自分で考えてみて下さい。参考までに、ドン・ボスコが「明日、世界が終るとしたら何をしますか?」と問いかけたとき、ドミニコ・サヴィオは「いつも通り、神さまからのお恵みである今日一日を大切に生きます」と答えたそうです。
(本校サヴィオ館のドメニコ・サヴィオ像)