2013年12月04日

ザビエルの気持ち

昨日の12月3日は、フランシスコ・ザビエルのお祝い日でした。ザビエルは、1549年に鹿児島の土を踏み、2年ほど日本に滞在しました。

彼は日本に来た当初、ヨーロッパの仲間から来た手紙のサインの部分だけを切り取って、小さな入れ物に入れ、身に付けて持ち歩いていました。そのサインを寂しい時などに見て、勇気をもらったり、彼らのために祈ったりしていたそうです。

教科書に出てくるザビエルとは少し違った、人間っぽい一面を見ることができます。彼は遠い異国の地で、自分を支えてくれる仲間を思っていたのです。

 

皆さんはこのサレジオ学院でどんな仲間と出逢い、どんな風に友情を育み、何を分かち合ったでしょうか。特に高校三年生は、この約6年の間、どれくらい仲間を大切にしてきたでしょうか。自分だけの利益ではなく、自分だけの楽しみではない、仲間を思い、仲間に頼る、そして、自分たちだけでもない、周りに目を配る、そんな友情を築いてきて来られたでしょうか。

 

ヨハネによる福音書15章13節の言葉を皆さんにお送りします。

「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない」

 

「友」とは仲のいい人だけを言うのではありません。自分が関わるすべての人のこと。

「命を捨てる」というのは、文字通りの意味ですが、自分を捨て他者のために尽くすという意味でもあります。

皆さんの未来にフランシスコ・ザビエルの取り次ぎを願いたいと思います。

 

 北川純二