井戸を掘る人
水が必要とし、ある人が井戸を掘りました。地面から下へ10mしたところに「宙水」という地下の空洞に貯まった水があります。この空洞に水が貯まるのには、長い年月がかかります。
その人は運よくこの宙水を掘り当てました。そして、家族親族でこの水を汲み続けたので、限りある水はある日突然枯れてしまいます。彼はまた一から井戸を掘り始めました。彼はこのように同じことを繰り返していきます。
ところが、地下の30m位の所に、水脈という流れる川のようなものがあるのです。それは汲めども尽きない永遠に流れ続ける地中の川なのです。そこまで掘り続けた人は、子孫の喉を潤すことが出来るほどの水を手に入れるのです。
では、誰もが30mの井戸を掘るのかと言うと、それは違います。割合簡単に水が手に入ると、殆どの人は運がいいのだからと言って、そこで掘るのをやめてしまいます。
私たちが30mの井戸を掘ると決めた人であるとすれば、水脈の上を掘らなくてはならないし、より効率の良い掘方をした方が得策と言うものです。
10mの井戸を掘るのと30mの井戸を掘るのとでは、その努力は3倍では済みません。掘った土の量やそれを上に持ち上げる労力は10mの3倍を優に超えてしまいます。
多くの人は、その大変さを考えてしまい、10m掘り当てた方を選んでしまいます。そのわずかな成果だけで満足してしまうからです。また地中を掘り下げていくと硬い岩盤や岩石があるかもしれません。中には、そこで迷ってしまい、別の場所に換えた方がよいと考えてしまいます。そこで諦めてしまっては何もなりません。そこが勝負の分かれ目です。
大きな労力で安定した生活を得るか、わずかな労力で目先の限られた安定を求め続けるのか、皆さんはどうしますか。