タラントンのたとえ話
タラントンのたとえ話は、ミッションスクールでは、比較的有名な聖書のお話で、入学式や卒業式の時に用いられることが多いようです。タラントンは通貨の単位で、現代の才能や能力を指すタレントの語源となる言葉です。
話の内容は、主人から預かった財産タラントンを、主人の期待と信頼に応えた人は、更に多くのものが与えられますが、失敗を恐れて何もしなかった人は、全て取り上げられて、外に放り出される話です。
私達は、様々な能力や才能を与えられて、この世に生まれてきます。生まれた時の能力はゼロではなく、両親の形質を受け継いでいる部分、プラスから出発します。でも、その内容を知りません。
ただ小さな社会である家庭から更に大きな社会へと成長していく中で、芽が出て育っていきます。それを使い続けていくと、年を重ねるごとに増え、死ぬまで更に増えていくと言われています。残念ながら、皆が皆、強い意志を持っているわけではないので、結果は自ずと違ってくるかもしれないのです。
たとえ話では、失敗を恐れて何もしなかった僕を叱っています。それでは、どのように振る舞えば良かったのでしょうか。恐らく、失敗をしても、もう一度やり直して、信頼に応えようとするならば、忠実な僕と呼ばれていたのかもしれません。
単純に「失敗を恐れるな」、「期待に応えなさい」という教訓話では、狭い解釈になってしまいます。人生は長いのです。ここは、「失敗しても取り返すことが出来る」、「そこからでも磨けば、更に多くのものが与えられる」と解釈した方がよいかも知れません。
自分の人生は自分のものです。恐れや不安はあるでしょう。でも私達は完全ではなく、不完全な存在なので、失敗は付き物なのです。でもその後をどのように生きるかによって、その後の人生は変わってきます。
もっと豊かな人生を望むならば、今からでも遅くはありません。自分を更に磨き続けていきましょう。