皆さんはエシカルという単語を聞いたことはありますか?このエシカルという単語、最初、環境問題のラジオ番組で耳にしたのですが、しばらくして「あ〜、Ethicsの形容詞 ethical ね」と思い当たりました。高校生なら「あ〜そ〜か」と納得するでしょう。英語 ethics とは倫理学という意味で、英文でも哲学や倫理学の本で目にする単語です。それがラジオのトーク番組、しかも環境問題や消費の話にいきなりエシカルと出てきたので盲点でした。

 

ところで7兆という数字が何を意味しているか想像できますか?7兆とは1年間で殺処分されるオスのヒヨコの数です。食卓に出てくる玉子は温めてもヒヨコになりません。それは私たちが使う玉子は無精卵だからです。なぜ無精卵ばかりか市場に出回るか、というと無精卵の方が生産性は高く儲けも大きくなるからです。わかりやすいですよね。でもその結果、私たちの食生活の背後でオスのヒヨコが毎年大量に殺されるわけですから、環境に優しい消費のあり方とはまさに倫理的な問題なのだと感じました。

 

「倫理」とは単に「やってはいけない」だけでなく「やった方がいい」という積極的な視点もあります。「+α」の要求でもありますから実行する勇気や意志力も必要でしょう。ですからSDG’sの問題、環境に優しい消費のあり方も、普通の消費行為を超えた生活様式の取り組みが必要となり、だからこそエシカルなのでしょう。

 

「フェアトレード」、「オーガニック」「地産地消」「動物福祉」もみんなこのエシカルな視点に立った課題です。普段の生活では決して目にすることのない世界ではあっても私たちの消費行為によって傷ついている人や動植物がいるということを知ってしまえば、日常の買い物は突如倫理的な問題として現れてくるのではないでしょうか。