『サレジオ会修道士聖アルテミデ・ザッティの生涯』
ドンボスコやマザーテレサのことを中1の宗教の時間に学びましたね。ドンボスコやマザーテレサは聖人です。聖人とは神様の望むように生き、その立派な行いが模範になる、とカトリック教会が正式に認めた人のことです。
先日10月9日、サレジオ修道会のアルテミデ・ザッティという人が聖人となりました。今日はアルテミデ・ザッティという人のお話をします。
彼は1880年、貧しいイタリアの家庭に生まれ、その後アルゼンチンに渡り、そこでサレジオ修道会に加わりました。ザッティは神父ではなく、修道士の道を選びました。修道士の神父との違いは、一言で言えば、自分の専門分野を通して人々のために奉仕する人のことをいいます。
ザッティ修道士の専門分野は医療でした。特に薬剤師、看護師として入院患者のケアをし、そして病院外の街の貧しい人々のために無料で医療相談にのりました。人々は白衣を着て自転車に乗っている彼の姿を見るだけで安心し、また信仰にも導かれたそうです。最後は自らも癌にかかり1951年3月15日に帰天しました。
ザッティ修道士の生涯を振り返るとき、看護師という仕事の大切さに改めて気づかされます。患者さんの治療・回復のために、医師だけでなく、理学療法士、薬剤師、ソーシャルワーカー、そして看護師が関わってきます。特に看護師の存在は患者にとって一番近い、大きな支えとなります。
チーム医療の大切さが近年強調されていますが、今から100年前にザッティ修道士はチーム医療の要として医療現場で活躍していたわけです。医療を目指す諸君もいるかと思いますが、なぜ医療を目指すのか、そしてどのように患者のケアを行いたいのかをしっかり考えながら具体的に進路を選んでください。
最後にザッティ修道士の祈りで締めくくります。
神よ、謙虚さと質素さをもって父なるあなたの愛を証したサレジオ会修道士聖アルテミデ.ザッティの取次によって祈ります。私たちが「貧しい人の友」「善きサマリア人」として、「苦しんでいるすべての兄弟姉妹」を心に留め、彼らに奉仕することができますように。アーメン。
どうもありがとうございました。