「懐かしさ」というイースト(酵母)

中3、高2の諸君は研修旅行お疲れ様でした。コロナ禍の中何かと制限の多い中、無事に実行でき本当に良かったです。やはり研修力は特別な時、皆さんも楽しい思い出がたくさんできたと思います。学びの時、そして仲間との絆を深める時でもあったでしょう。

私は中3と一緒に京都奈良を回りました。もう何度も生徒に同行して京都奈良を訪れていますが、毎回新しい発見があります。法隆寺や東大寺などもそうですが、今回はなんと言っても京都鉄道博物館が一番の思い出になりました。「誰かいるかなぁ〜」と鉄道博物館に入ったのですが、何とそこには懐かしい寝台特急、ブルートレインの車両が展示されていたんですよ。小学生の時母親と夏休みになると実家の横浜に帰っていたのですが、その折には今はもうない「特急富士」に乗っていました。展示場には寝台車、食堂車があり、道ばたで昔の友達にばったり出会ったような「懐かしい」感動を覚えました。

ふと「懐かしい」って何だろうと思いました。心に溢れてくるもの . . . 単に当時の記憶はセピア色ではなく、その時から今に至る時間の流れ、自分の中での変化、そういった幾つもの層に彩られた鮮やかな色彩を帯びた感情だからこそ心が揺さぶられるのだろうと思います。なんせ小学生時代なんて50年も前ですからその隔たりたるや . . . ちなみに今日のBGMは海援隊の「思えば遠くへ来たものだ」です。

「あの時が今につながっている」、「時間が経ってやっと今意味が分かる」、懐かしさにはそんな過去の出会いへの感謝の気持ちも含まれるのではないでしょうか。普段は表に現れないけれど心の奥にいつもあるふわっとした温かな気持ち . . . 何だか静かに酵母がパン生地を膨らませている発酵の情景に似ているような気がしませんか?

鉄道博物館で遭遇した中3諸君ともそんな気持ちを分かち合いたいなぁ〜なんて思ったんですが、流石に15才の中3には50年という歳月はね〜。今度彼らには展示されていた車両の車両番号について詳しく聞いてみたいと思います。