平和と喜びに満ちた初代教会に学びましょう

教会の暦では現在はイエス様の復活をお祝いしている復活節という季節です。この季節、ミサの中で読まれる聖書は復活したイエス様と弟子たちとの出会いや弟子たちを中心とした教会の活動を描いています。中学3年生以上は『使徒たちの宣教』という書物の名前を覚えているでしょう。
弟子たちを中心とした教会のことを「初代教会」と特別に呼びます。この初代教会の特徴は「平和と喜び」でした。なぜでしょうか。「使徒たちの宣教」にはこのように書かれています。「信じた人々の群れは心も思いも一つにし、すべてを共有していた。信者の中には1人も貧しい人がいなかった。お金は必要に応じておのおのに分配されていた。」お互いに相手の必要に応じて自分のできることを行なっていたわけです。そのため生活に困窮する人がいませんでした。これが平和と喜びの源だったわけです。
仏教の説話にも共通するお話がありますね。極楽でも地獄でも同じように人々は食事の席についています。極楽でも地獄でも同じように一人一人の持っている箸は長くて自分の口に食べ物を持っていけません。でも極楽ではみんなお腹いっぱい食べることができる・・・というあの話ですね。両者の精神は同じでしょう。平和と喜びの雰囲気を創り出すためには、ちょっと自分のことを差し置いて、ちょっと自分のものを人に差し出すことが必要だということです。
サレジオ学院を喜びと平和の雰囲気に満たされた学校にしていきましょう。私たち一人一人が相手のことを考えて、ちょっと自分のできることを実行していく、相手が困っているときに手を差し出す、これが秘訣です。自分の不都合を少し差し置いて相手のために、それが相手に対するリスペクトです。教室を、学校を、社会を喜びと平和に満たされた「天の国」にしていきましょう。