高校生の皆さんは研修旅行の折、ヴァルドッコを訪れてドンボスコの息吹を感じたことと思います。彼の生涯は困難の連続でした。貧しい若者の世話をするドンボスコは政府から睨まれ、トリノの司教から誤解され. . . それでも彼は決して諦めません。
DVDの中では描かれていませんが、最初に寮を始めたときにドンボスコは苦い経験をしました。路上生活している若者をオラトリオに招いた時のことです。「オラトリオというところがあるよ。泊まっていかないかい?」もちろんオラトリオにはドンボスコとお母さんのマルゲリータの食べ物、寝具しかありませんでした。でもホームレスの若者のことが心配で、自分たちの食事や毛布を与え、さらにチャペルの白い布を彼らのベッドのシーツにしました。
翌朝彼らの部屋をドンボスコが訪れたとき...何と中はもぬけの殻でした。若者たちはたらふく食べた後ドンボスコから借りた毛布、シーツもすべて持って夜中にとんずらしていたのでした。裏切られたドンボスコの気持ちはどんなだったでしょうか。
「恩を仇で返すなんて〜」「もう二度とこんなことをするものか」と僕なら怒って諦めてしまうでしょう。でもドンボスコは裏切られても決して諦めませんでした。それが若者に必要なことであるという確信があったからです。そしてその確信をもって次の若者、次の若者と声をかけていったのでした。その結果がDVDで見たオラトリオの風景だったのです。
ドンボスコの特徴、それは「神様のためにしていることは決して諦めない」でした。僕たちも困難があっても諦めず地道に努力する強い気持ちを持ちましょう。「頑張れ」と応援するときNever give up! 以外に、もう一つHang in there!というのがあります。みなさんにもこの Hang in there!という言葉を贈りたいと思います。