始業式の話
2024年度４月８日の始業式での学校長講話
新しい年度が始まりました。新しい学年を「主の祈り」でスタートしましょう。
2024年度の学校目標は「夢」です。全世界のサレジオの学校に向けてサレジオ会の総長フェルナンデス枢機卿はこの「夢」という言葉をスローガンとして届けられました。夢とはドンボスコが９祭の時に見た夢ですね。
さてまずは「夢」に関してクイズです。スローガンの The dream that makes you dream. の dream とほぼ同じ意味で使われているのは次のどれですか？
(1) Life is but a dream.
(2) Dream Team
(3) Dreams come true.
- 人生とは夢のように儚いもの、覚めてしまえば露のように消え去る、かなり悲観的ですね。違いますね。
- The Dream Teamはどうでしょうか。写真のドリームチームは1992 年バルセロナオリンピックのバスケットボールアメリカ代表で、メンバーはマイケル・ジョーダンらNBAのスーパースターで構成され、圧倒的な強さで金メダルを取りました。Dreamは「あったらいいな」「最高の」という意味です。「スーパースターの夢の競演」という言い方がありますよね。もう一つの写真は映画のタイトルでDream Team ですが、こちらは文字通り「夢を見ているチーム」つまり「ぶっ飛んでる奴ら」という意味。これはコメディー映画です。これも違います。
- 「夢をあきらめるな！」でこれが正解。今年のスローガンの「夢」は目標、叶えるもの、といった意味ですね。スローガンの土台となったドンボスコの９才の夢は貧し若者を助けるという彼の使命、召命を示していました。そして２００年後の２０２４年私たちにそのドンボスコの夢の続きが託されていんだよ、ということです。
もう少し夢について考えてみましょう。スライドでは「やってみたいこと」「夢」を二つのグループに分けてみました。２つのグループの違いは何でしょうか？
GroupA
ゲーム三昧／漫画の爆買い／グルメ探訪
GroupB
プログラミング／イラストデザイン／創作料理
AとB何となく似ていますが、GroupA の共通点は「消費」です。それに対して GroupBは「創造」です。このように夢を「消費」と「創造」に分けるなら、ドンボスコの夢は「創造」、何かを作り出すことにつながるものです。そしてドンボスコの夢はさらに「人のために役に立つ何かを創造したい」という望みでした。まとめるとスライドにある「一人ひとりの若者が温かい雰囲気の中で神様の望みを発見しそれを実現していけるように彼らをサポートする環境を創りたい！」というものでしたし、それがオラトリオだったわけです。
さて「ドンボスコの夢、私たちの夢」の「私たちの夢」はどうでしょうか？昨年度の中学１年生に春休み中「皆さんの夢は何ですか？」というアンケートをとりました。いろんな夢、やりたいこと、就いてみたい職業を挙げてくれていました。そんな中でもクリエイティブな夢がたくさんありました。少し紹介しましょう。
「ソフト関係や建築などクリエイティブな仕事」「ゲーム開発／新しいコンピューターを作る／3Dプリンターによる作成」「「がんや病気を研究し副作用の少ない薬を作る」「化学／生物の世界を掘り下げたい」「色の仕組みの研究」「見たことのないものを見つけ学び考える」「宝石の採掘」「外国語の習得」「ゲノム解析」「獣医」「農業」「法律」「音楽」「IT /情報」「マスコミ／エンタメ／スポーツ業界」「考古学」「ブリーダー」「教師」「料理家」など。
たくさんのサレジオ生がクリエイティブな夢を語ってくれていましたが、その夢にはもう１つ視点がありました。それは「誰かの役に立ちたい」という他者への眼差しです。
「ゲームを作って子供に笑顔になってほしい」「発明をして人が喜んでもらえるようなことがしたい。」「私の夢は、CMなどを作り人々に情報を伝え、様々な人に笑顔になってもらいたい。」「 人のためになる医療関連の仕事で、人を笑顔にさせたい。」「自分の好きな飛行機関係で、誰かを裏で、見えないところで支えられるような職業につきたいです。」「駅や空港などで困っている外国人を英語を使って助けてあげたい。」
素晴らしいですね！
一人の生徒の語ったことはこれらを簡潔にまとめてくれています。
「ものづくりに携わりたい。そして誰かと喜びを共有したい。常に挑戦したい。みんなが喜ぶことをしたい。常に大きな目標、つまり召命を忘れず高い志を忘れないでいたい。」
目指す夢が召命と結びついています。
まとめるとこんな感じでしょうか。
「ドンボスコの夢、サレジオ生の夢はクリエイティブだけど、その視線の向こうには他者がいる。それが神様の招き、それが召命」
ということで今年度夢を見つけ、夢を実現できるよう努力していきましょう。
最後に。後ほどサレジオ学院ルーブリックブックを皆さんに配ります。これまでルーブリックアンケートをとってきました。それを冊子の形にしたものです。今日は時間がないので配るということだけお知らせします。また後日このサレジオ学院のルーブリックブックについてはお話したいと思います。
ありがとうございました。
