「本当のさいわいは一体はなんだろう?」

今年3月に読書検定主催全国読書大会神奈川新聞社杯が行われました。一冊の本を読んでその中から心に残った一文を取り出し、それについて400字で紹介するというものです。1000を超える応募の中、高2の高水君が最優秀賞に選ばれました。おめでとうございます。誇らしいです。

 

高水君が選んだ本は宮沢賢治作「銀河鉄道の夜」、そしてその中から「ほんとうのさいわいは一体なんだろう」という文について感想を書いたそうです。

 

好きな本の中から印象に残った一文を選ぶということは結構難しいし、逆にその人の本に対する向き合い方が選んだ一文に現れるとも言えるでしょう。

 

確かに高水君の選んだジョバンニの言葉「ほんとうのさいわいは一体なんだろう」は『銀河鉄道の夜』の中で繰り返して語られているテーマですし、まさにこの1行に宮沢賢治の心が込められているでしょう。

 

「あなたにとって本当のさいわいとは?」作者宮沢賢治は読む人に問いかけ、そして読者一人一人はその問いに答えを出すよう招かれているようです。「本当のさいわいとは?」と問われ、それに自分なりに答えようとすることは、召命を探す道筋そのものだとも言えるのではないでしょうか?夢を探す人生の歩み、それは2つの漢字からなる「応答」、<竹かんむり>の「答」と<まだれ>の「応」からなる「応答」、言葉だけでなく、存在全体の意思決定、態度決定だと思います。