皆さんは空海というお坊さんの名前を知っていると思います。空海は真言宗を日本に伝えた立派なお坊さんで、高野山に金剛峰寺(こんごうぶじ)を開いた方です。このお寺の建設にあたっては次のような逸話が残っています。

なかなか造営が進まない金剛峰寺に対して空海は高野山でたくさんの灯明と花で仏様を讃え、仏様の助けをかりて早くお寺を完成させたいと願い、法会を開きました。
空海の依頼に応え、貴族や金持ちを始め多くの人が仏様に灯明を捧げるために油を買って供養しました。そんな中に一人の貧しい女性がいました。彼女は仏様への信心が強く自分も灯明を奉納としようと思いましたが、貧しくて油を買うお金がありません。それで彼女は自分の髪の毛を売って僅かばかりの油を買い、やっと一つの灯明を仏様に捧げることができました。
さて法会は盛大に行われ無事に終わりましたが、その夜にわかに嵐が吹き荒れ次々の灯明の火は風にあおられて消えていきました。しかし夜が明けるとあんなに風が吹いていたのにたった一つの灯明が燃え続けていました。それは自分の髪の毛を売って供養した貧しい女性の灯明でした。仏様はこの女性の心に真の布施の心を見て、それを誰の物より大切にしたかったので火が消えることを許さなかったのです。

いわゆる「貧者の一灯」というお話で、皆さんもどこかで聞いたことがあるでしょう。このお話は仏教のお話ですが、実は聖書にもこの物語と同じような思いを込めたイエス様のお話が残っています。
というわけで、その箇所はどこにあるでしょうというのが今日の朝のお話です。聖書で見つけた人はぜひ私のところまで来てください。