本日1月24日は聖フランシスコ・サレジオのお祝い日ですが、今朝は最近の出来事、トランプ氏のアメリカ大統領就任についてお話ししたいと思います。

  
トランプ氏の大統領就任演説の内容はメディアで報道されており原文で読んだり、あるいは就任式の映像も見た人がいるかもしれません。演説は全体として非常に平易な英文で、二つのものを対比する論調は個々の部分でとても分かりやすいものでした。

  
トランプ氏が大統領に選ばれた背景にはアメリカの経済的繁栄とその恩恵が労働者など国民全体に行き渡っていないという不満と分裂の結果だという分析がありますが、トランプ大統領はこれから国を一つにまとめていくことが求められていくでしょう。

  
実は演説の中でトランプ大統領は聖書の箇所を引用しています。気づきましたか。詩篇133章の「見よ兄弟がともに住むのはなんと美しく楽しいことか」”How good and pleasant it is, when brothers dwell together as one!”です。この箇所はイスラエルの民がバビロン捕囚の時代異国の地で、いつかもう一度みんなであのエルサレムに集まって神様を礼拝できればという望郷の気持ちを歌ったものです。

  
散り散りになってお互い言葉も考え方も違ってしまった中で自分たちを一つにまとめるものはもうユダヤ教の信仰しかないという確信があったのでしょう。一致が強く求められるときにはうってつけの聖書の箇所であるわけです。もしかしたらキング牧師が「I have a dream」と演説したときにもこの箇所が頭にあったのかもしれません。

  
選挙運動中のトランプ大統領の言動は別としても少なくとも彼がこの聖書の箇所を引用したということで、「見よ、兄弟がともに住むのはなんと美しく楽しいことか」という考え方を彼がどう実現していくか興味があるところです。